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help リーダーに追加 RSS ボルベール 「帰郷」

<<   作成日時 : 2008/05/27 23:21   >>

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 日本での公開も既にかなり以前の事になってしまいましたが、しばらく前にDVDで観たペドロ・アルモドバル監督のスペイン映画です。実のところ映画スターには全く疎いので、新聞でこの映画の宣伝を見るまでは、ペネロペ・クルスが本来スペインの女優だという事すら知りませんでした。
 途中まではどちらかというとコメディのような雰囲気で話が進んでゆきます。主人公ライムンダの夫パコが娘のパオラに性関係を迫った挙句に殺されますが、その事件に関してはあまり深刻さはなく、むしろパコの死体の始末に右往左往する喜劇的な展開が繰り広げられます。死んでいるはずの母親イレーネの出現にはあっけにとられますが、彼女が姿を隠していた理由である秘密自体は周囲の状況証拠から段々と推察され、それほどの意外性はありませんでした。
 しかしラスト近くになってライムンダが家を出た理由が明らかにされ、それまでの雰囲気が一変します。実の父親による強姦と妊娠という衝撃的な真実はまた、殺されたパコの行為にも重なり、ある種の因縁をも感じさせます。
 全体を通して、男性陣の存在感の希薄さが印象的な映画でした。もしかすると、圧倒的な存在感のあった「恐るべき(国民の)父親」フランコの死後の、大きく変わったスペインを象徴しているのかもしれません。

 本筋とあまり関係ないのですが、この作品では何回も風力発電の風車が登場します。物語の舞台ラ・マンチャ地方はもちろんドン・キホーテの舞台でもあり、従って風車といえばそちらの方を連想するのですが、現在のスペインは世界第三位の風力発電大国で、ラ・マンチャ地方に限らず多くの発電用風車が見られます。

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