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StarTrekを始めとする多くのSFドラマでは、ドラマ内での出来事に仮託して、現実社会でのさまざまな問題を提起している事はかなり知られています。浅木さんによるVOY#70(The Gift)のレヴューを読んで、以前に私が観た当時は判らなかった問題提起に気がつきました。 "The Gift"は第三シーズンまでのレギュラーだったKesが退場し、前話で初登場したSeven of Nine(以下ではSevenと書きます)と交代する重要な話です。この中でJaneway艦長は、BorgドローンだったSevenからインプラントを取り除く手術を行うようにをDoctorに命じますが、Seven本人がそれを望んでいない事を理由にして、Docterは反対します。しかし艦長は、Sevenには正しい決断能力がないとしてDoctorの反対を押し切って手術を続行させました。やがて意識を回復したSevenは怒りを露にしますが、艦長は彼女に有無を言わせずに「人間社会に迎える」と宣言します。以前に観たときには、艦長のこの行動について何の疑問も感じませんでしたが、今回浅木さんのレヴューを読んで、やや異なった印象を持ちました。 もちろんVOYの最後では、Sevenは自分の意思を無視して人間に戻した事に対して艦長に感謝します。またそもそもこの決断がなければ後のストーリーが成立しないのも事実です。ただ、この「善意による強制の是非」は、現在の特にヨーロッパで問題となっている、イスラム女性のスカーフ論争(ベール論争)での論点と重なっています。ここではスカーフ論争の詳しい経緯や論点には深入りしませんが、例えば以下の本を挙げておきます。神の法 vs 人の法 -- スカーフ論争からみる西欧とイスラームの断層 ここで問題としたいのは、「反スカーフ派」の主張の根底にある、「スカーフはイスラム教による女性抑圧のシンボルである」という考えです。家族や宗教的権威者にスカーフ着用を強要されている女性が存在するのは事実ですが、自らの意思でスカーフを着用している女性たちも多く、彼女たちにとって反スカーフ派の主張は、逆に自由意志を縛るものでしかありません。それに対する反論として、「彼女たちはイスラム文化に漬かって育てられたためいわば洗脳されているだけで、自由意志を持っていない」という主張がなされる訳ですが、これが正に上の話での艦長の主張です。しかしこの場合、本当にそうなのでしょうか?この議論の底には、「自分たちの主張は普遍的なものであり、本当の自由意志を持つ人間になら当然支持される」という欧米文化人の驕り(というより思い込み)があるように思います。 実はイスラム女性が自らスカーフを着用するのは、コーランにある「性的な部位を隠せ」という文章において、女性の髪を性的な部位と解釈しているためです。(実はイスラムであってもそのような解釈をしない女性は、スカーフを着用していない。)彼女らにとってはスカーフによって自分の髪を隠すのは、西側を含む多くの女性が下着によって女性器を隠しているのと同じ理由によるものであり、それを禁じるのは下着の着用を禁ずるのに等しいわけです。この点を 含め、スカーフ論争に関してより詳しい議論が、以下のリンクの記事で説明されています。 『神の法 VS. 人の法』(追記あり) |
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トラバありがとうございます。浅木です。このエピでの艦長の一言は、よくこのイスラム・スカーフ問題とリンクして語られますよね。 |
浅木 2008/03/16 23:48 |
実はこの記事はかなり以前に書き始めたものの、文章がうまくまとまらずにしばらく放置していたものです。改めて読み直すと、何だか大上段に振り被った大仰な文章ですね。 |
X^2 2008/03/17 20:02 |
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