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少し前に紹介した「不思議惑星キン・ザ・ザ」は、初めから風刺を目的としたコメディタッチの映画でしたが、「火を噴く惑星」は本来は真面目なハードSF大作(のはず)です。ただし、無情な時の流れによって、1961年の製作当時は十分科学的だったはずの描写がすっかりレトロになり、コメディにすら見えてくる部分もあります。その辺を含め、粗筋は以下のページをご参照ください。 放浪脳内一人旅 ただ、上にリンクしたページに書かれているほど、とんでもない内容だとは思いません。確かに、魚が泳ぐ海があって大地には植物も生え、恐竜に似た生物が生息しているという金星の描写はもはや完全に間違っていますが、これは製作当時の想像としては標準的なものでした。弁護させてもらえば、この映画の発表直後の1962年に、アメリカの惑星探査機Mariner2号が実際に金星近傍を通過し、その表面温度が400℃以上という高温である事を明らかにするまでは、厚い雲に覆われている金星の環境については謎のままでした。地球より太陽に近い分暖かく、あれだけの雲があるのだから湿気が多いだろうと想像するのがむしろ自然で、例えばS.Lem辺りでもその想定でのSF(金星応答せず)を書いています。さらに暖かで湿気が多いという事から、中生代ジュラ紀の地球に似た環境では、という連想が働き、恐竜の世界として描いた作品は他にもかなり多いです。それに、大規模活火山の存在は正解でした。 また、「三原則」何処吹く風のロボット「ジョン」も、そもそも「三原則」自体がAsimovの想像の産物である事を思い出せば、それに従った設定にする理由はない訳です。「丁寧語」で呼びかけなくては返事をしない、という笑える設定も、ロシア語では主語に"ты"(お前)を使うか"вы"(あなた)を使うか(より正確には、命令法でのそれぞれの動詞変化の使い分け)という問題なので、日本語で聞いたときの違和感とはまた別かもしれません。なぜかアメリカ製の石頭ロボットジョンが最後にああなる、というのは、ソビエトの優位性をアピールしているのかもしれませんね。 もちろん、他にも色々と突っ込みどころはあります。そもそも冒頭の隕石衝突の唐突さと展開の強引さは凄いですし、宇宙船内も初めのうちは重力があるように普通に歩いていたのが、一人で宇宙船に残ったマーシャは、無重量状態で空中遊泳しています。さらに上のリンク記事にも書かれていたように、人間大ゴジラはどう見ても着ぐるみですし、そもそもタイトルに関係ある火山の場面は、実際には単なる一挿話に過ぎません。マーシャが記録を残しているのがオープンリールのテープレコーダーなのは時代を感じさせますが、この辺の「レトロフューチャー」振りは、例えばTOSも五十歩百歩で、最近のSF大作だって50年も経てば同じ運命でしょう。 最後の落ちはある程度読めますが、紅一点のマーシャの振る舞いと共に、ある意味いかにもソビエト=ロシア映画という感じです。この映画に対する全体的な印象としては、極めて正統的なソビエトSF映画、といったところでしょうか。 ロシア映画社アーカイブスの記事もリンクしておきます。こちらの方はまた、真っ向から褒めています。 こちらはロシアソビエト系映画に関するブログの記事です。ブログ草原系 |
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UFO少年アブドラジャン
「不思議惑星キン・ザ・ザ」、「火を噴く惑星」に続く、ソビエト系SF映画の紹介です。SFの体裁をした鋭い社会批評だった「キン・ザ・ザ」、本格SFのはずがずれてしまってそこが面白い「火を噴く惑星」とはまた違い、この作品はSF御伽話とでもいった映画です。 田舎の村にUFOが墜落し、乗っていた子供の宇宙人が村人と交流して色々と奇跡を起こす、そのうちに宇宙人の存在を知った軍が動き出すが、捕らえられる前に宇宙人は地球を去る、と粗筋を書いてしまうと、まるっきり``E.T."と同じですね。実際、自分... ...続きを見る |
Babylon5以外のメモ by X^2 2006/03/21 00:20 |
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未見ですので、リンクされている記事なども読ませていただきましたが、仰るとおり「不思議惑星キン・ザ・ザ」のコメディとは違うようですね。スペース1999のような雰囲気もして、なかなかのSFだと思います。 |
モリー 2005/12/19 01:19 |
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